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ロバと王女 プロット フランス 02月25日 2020 台灣上映
罪と罰 プロット フィンランド 01月01日 2002 台灣上映
罪と悪 プロット 日本 02月02日 台灣上映
ソロモンとシバの女王 プロット アメリカ 11月22日 1959 台灣上映
キング 罪の王 プロット アメリカ 11月18日 2006 台灣上映
犯罪王リコ プロット アメリカ 01月01日 1900 台灣上映
罪と女王評論(11)
夫の前妻の息子と関係を持ってしまう児童保護専門の弁護士が、保身のために義理の息子が虚偽を言っていると追い詰める。少年を引き取ってから関係を持ってしまうまでもそれほど苦悩があるわけでもないし、仕事上少年の心理についての知識があることを思えばなおのこと、弁護士という社会的地位や立場を利用して、せっかく更生しかけていた少年を貶めるこの主人公に、心底怒りを覚える。ただ、これが男女逆転していれば、既視感があるというか、そこら中にありそうなストーリーになり、またそれ自体が非常に大きな問題で、そういう問題提議をしているとも言える。
本作は、デンマークのアカデミー賞(ロバート賞)で作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞など主要9部門受賞した、まさに2019年のデンマークの代表作です!
しかも、私が毎年注目しているアメリカのサンダンス映画祭で「観客賞」を受賞しているので、これは見ないと後悔しそうだと見てみました。
まず、本作は、題材が選ばれた視点から興味深いのです。
監督が「家族の秘密はどのように生まれるのか?」という視点から「家族の秘密が出来る様子を映画化しよう」と考えたそうです。
そして、選んだのが「性交渉のスキャンダル」。
「性交渉のスキャンダル」において「年上の男性と若い女性の関係」と「年上の女性と若い男性の関係」では、人々は圧倒的に後者の方を「ロマンチック」に捉える傾向がある、と分析しています。
言われてみれば、確かに日本においても、後者の方はセンセーショナルに取り扱われますよね。
そこで、生徒と性交渉を持った女性教師に関する記事をリサーチしながら、本作は形作られていったようです。
本作では、気の強い女性弁護士の一家に、夫の、元の奥さんの子供(青年)がやってきます。
最初は心を閉ざしていた青年が、「ある事」をきっかけに少しずつ心を開いていくのですが、その「ある事」にしても、あまり見たことの無い展開でした。
主人公の女性が頭脳明晰な弁護士、という設定も上手いですね。
そして、物語は想像できない方向に進んでいきます。
なるほど、ここまでしっかりとした作品であれば「2019年のデンマークの顔」となったことにも納得がいきます。
ただ、ストーリーは決して単調ではないですが、ハリウッド作品のように物凄く凹凸を付けて描かれているわけでもないので、刺さらない人もいるでしょう。
なお、モザイクの入るシーンでは、監督が「#Me Too」運動を過度に意識し、男性の俳優に相当に配慮した撮影がなされたそうです。ここら辺のエピソードは、女性監督ならでは、ですね。
本作は、あまり見かけない題材な上に、様々な判断を観客に投げかける良質な作品でした。「共感」「不快」「好奇心」など、どの感情でもいいので、一度は見てみてもいいのではと思います。
北欧の美しい風景も感じられなかった
エロチズムもあるとは思えない
内容的には興味深いものでしたが、あまりに可哀そうなエンディング
少し残念でした
若い血のつながりのない息子に対して、オトコを感じることも、男という人種に対して、何か怒りと服従の両方の感情を併せ持っていることも理解できる。
でも、こんなふうに人を傷つけてはいけない。
こども扱いをするなら、我慢をするのは大人の方だ。
大人として扱うなら、言葉で丁寧に説明をして、本音でぶつかれ。
どちらにしても、自分が失うものかどれほどの大きさなのか、腹を括るのが大人だろうな。
仕事では、こどもの味方のような立場だけれど、ハナからグスタフを見下していたのでは?
そのあたりの細かなエピソードは、随所に散りばめられています。
ラストの2カット、どう解釈すればよいのか、いまだに謎。
その余韻もあえての計算なのかも。